初代望月安一創業なる飴の中に『茶の文字』を組み立てた茶の字茶飴をはじめて以来、80余年の歴史を継続しております。それ以来弊店では『抹茶』をお菓子の中に取り入れた茶処銘菓を専門に製造いたしてまいりました。茶の文化をお菓子の中に取り入れることは、茶どころの町を育て、触れて、語り継いできた多くの人との関係、長い歴史を深く感じることだと思います。
茶飴は本格的な茶の風味のする、素朴でどこか懐かしい茶町生まれの細工飴です。飴工場で茶の字をのぞかせて飴をトントンと切っている様子は、静岡民謡『ちゃっきり節』の風情を思わせます。また、久能山東照宮が国宝になった折には、徳川家康公を愛飲した本山茶を使用し、長寿を祈願する茶寿飴をお作りました。
やぶきた羊かんの『やぶきた』はうまい茶の代名詞と言われる茶の品種で、現在日本で栽培される茶樹のほとんどがこの『やぶきた』であります。ですが、その開発には大変な苦労があり、やぶきた茶の生みの親である杉山彦三郎は私財を投げ打って長い時間を要する品種改良に心血を注ぎました。その功労があっておいしいやぶきた羊かんが作られるのです。抹茶状態にして丹念に練り込んだやぶきた羊かんは、お茶の深い味わいが評価され名誉総裁賞に輝くことが出来ました。
また、掛紙に載せました『駿河路や花たちばなも茶の匂い』の俳句は、俳聖芭蕉が駿河路の茶の香りの豊かさを詠み、お世話になった如舟へ送った句であります。その尊敬と感謝の思いをこめた茶文化のお菓子なのです。
2013年富士山が世界文化遺産になったおりは、文化のお菓子として葛飾北斎の富嶽三十六景をとりあげ、富士山羊かんが生まれました。茶、小豆、栗と日本人が愛する甘味を富嶽三十六景のパッケージで包んだ和菓子として、かつて茶箱が浮世絵が世界を渡ったように世界に発信できたらとの思いがあります。
これからも日本の茶、人、物を、風土と歴史豊かな茶処静岡から全国、そして世界に広めるべく製造し継続していきたいと思います。
有限会社 望月茶飴本舗
〒420-0003 静岡市葵区片羽町62
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