静岡県人会相談役 横山巖
女学校に通い詰めるオジサンです。
2014年のNHK朝ドラヒット作「花子とアン」をご記憶でしょうか。舞台は東京六本木にある東洋英和女学院です。明治時代にカナダ婦人宣教師によって開学されたというルーツは、静岡英和女学院、山梨英和学院も同じであり、現在でも三英和として知られています。
私の3人の娘は揃って、東洋英和の幼稚園から高等部まで六本木に通い、三女は東洋英和の大学を卒業しました。そんな訳で、私は東洋英和で父として21年を過ごすことになり、そのご縁で後援会長を6年、評議員を3年、昨年からは学院監事を仰せつかっています。
この女学院で少々驚かされるのは、父親のボランティアと親睦が尋常でなく盛んなことです。「父親有志の会」という、会長も会則もない勝手連があり、娘のためという思いだけが絆で集まっています。現役から卒業生までの父ばかり400人を超え、今や学院からも公式に認められ、その活動は多岐に渡ります。
代表的な活動は、長野県野尻湖畔にある夏期学校オープン前の準備作業です。多いときには100人近くの父親が2泊3日、草刈りから整地、設備修理の大工仕事、ボートの補修などに当たります。
また、クリスマスコンサートでは、女生徒と父親たちの混声合唱が名物です。毎年数十人の父親が土日練習に励み、日暮れからは疲れた喉をアルコール消毒するのであります。
さらに、国内では珍しい男性だけのハンドベルチームもあり、学院指導の下、こちらも数十人編成でコンサートに参加しています。
必死で仕事を遣り繰りして六本木鳥居坂に集まる父親たちの活動は20年以上に亘り、親睦の深まりと共に、その活動は趣味の世界にまで広がってしまいました。山好きの仲間が集まる鳥居坂山岳部、グルメ仲間による蒲田餃子部会(KGB)を始め、10ぐらいのグループができました。
最近特に目覚ましいのは鳥居坂競走部です。揃いのユニフォームで、年に数回出場する駅伝大会では5チーム20名以上の盛況です。フルマラソン完走者も二ケタになりました。
お嬢さんを入れるなら、ぜひ東洋英和女学院にしましょう。当の娘たちよりも楽しんで盛り上がっているのは父親かも知れませんが・・・
1953年 静岡市安東の生まれ
1976年 慶應義塾大学経済学部卒業
公益社団法人 全日本ネオン協会 会長
公益社団法人 静岡県屋外広告協会 会長
アオイネオン株式会社 代表取締役社長
静岡県人会相談役 横山巖