特集

キラリ!静岡県人
2013/08/01掲載
弁護士 渥美雅子さん

 

静岡県人会相談役の渥美雅子先生にご登場、お願いしました。


渥美雅子先生



 大学を卒業したのが1963年、その年に司法試験を受け、1966年に弁護士になった。別に法曹にあこがれてなった訳ではない。
 大学の就職課から「女子は学校側では面倒見てあげられないので自分で探すように」と言われ、さりとてコネがある訳じゃなし、結局司法試験でも受けるしかなかった。受験勉強の合間にある放送局のアナウンサーの試験を受けた。
 「ではこのお知らせを5分以内で読んで下さい」ハイ、と答えて読み始めた。
 「本日午後2時から第1会議室に於いて○○協議会を行います。関係者の方はお集まりください」というようなもの。ところが読み始めて2分も経たないうちに
   「ハイ、そこまでで結構です」
と告げられてしまった。ジ・エンド…。何がいけなかったのか。「午後2時」のアクセントが逆だったのだ。「午後」というとき関東では「午」にアクセントがある。浜松では逆だ。「後」にアクセントを置く。「午前」「午後」どちらもウシロにアクセントを置く。それが試験官の気に入らなかったらしい。「これじゃすぐに使い物にはならない」そう判断されたのだろう。
 そういえば私は高校時代にはずうっと校内放送のアナウンサーをしていたから言語明瞭であると自分では思い込んでいた。とはいえ、喋る方も聞く方も浜松っ子だから「午後2時」のアクセントには無頓着であった。かくて私はたった2分でアナウンサーの試験に落ちてしまった。
 もうこうなったらヤケのヤンパチ。結局司法試験を受け弁護士になった。もしもあの時、アナウンサーの試験に合格していたらどうなっていただろうか。均等法も何もない時代だ。4、5年は便利に使われて使い捨てにされていただろう。人生何が幸か、何が不幸かわからない。何が失敗か何が成功か、わからない。
 10年経つと景色が変わる。10年前にした失敗は10年後の成功につながる。
 弁護士になって47年経った。その間に様々な事件を手がけ何とかかんとか解決してきた。おかげで今もまだ現役で働いている。そして仕事の合間には講談も語らせてもらっている。
   怪談を演る時などは「草木も眠る丑三つ時、只今の午前2時でございます」等というくだりもある。そのくだりに来ると又アクセントを間違えるのではないかと妙に緊張する。



渥美雅子先生



静岡県浜松市生まれ。1963年中央大学法学部卒業。
1966年より弁護士開業。弁護士活動の中でも家族、相続、D.V.(ドメスティック・バイオレンス)等の問題を得意とし、人生相談の回答者として柔軟な考え方と歯切れの良い回答で人気を博しています。
講演や執筆も多く、著書に「たそがれ法律相談」(講談社)、「子宮癌のおかげです」(工作舎)、「熟年のための法律入門」(岩波書店)、「別れる夫婦 別れない夫婦」(成星出版・共著)、「性愛」(柏書房・共著)ほかがあります。
平成15年から平成23年まで女性と仕事の未来館館長、現在はNPO法人DV被害者支援活動促進のための基金設立・同理事長、NPO法人高齢社会をよくする女性の会監事ほかを兼任。2005年男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰。



渥美雅子先生渥美雅子先生



プライベートでは以前から親しくしていた講談師の、宝井琴桜先生、宝井琴嶺先生の協力を得て、1997年11月渥美講談塾を開設。法律事務所の会議室に高座を手作りしてしまいました。塾生も30人集まり、ボランティアで老人施設などに出前講談しています。高座名は渥美右桜左桜(あつみうおうさおう)。

 

 

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