大相撲 東関部屋の師匠を務める東関大五郎【あずまぜきだいごろう】親方は、昭和53年静岡県静岡市出身の35歳。中学校卒業後に未経験で相撲界の門をたたき、初土俵は平成6年3月。現役時代、潮丸の四股名で郷土の星として活躍したのはまだ記憶に新しい。
小学校・中学校時代はソフトボールと野球の選手として活躍し、その腕前は地元の新聞で「静岡のドカベン」と紹介され注目を集めた。その後、先代の東関親方(元関脇・高見山)からの熱心なスカウトを受け相撲界に入門したが、スカウトのきっかけは、体つきが人一倍大きかったことから特注でユニフォームを作ってくださった会社の社長による紹介なのだそう。なんとも親方らしい豪快なエピソードに納得である。
中学時代は生徒会長も務めた責任感の強い青年時代の親方が、相撲という未経験の世界へ入門する決意を固めた一番の理由は「母親に楽をさせてあげたい」との強い想いなのだそう。まさにドカベン「気はやさしくて力持ち」。こちらも親方の人柄をあらわす心あたたまる秘話である。
現役時代は安定感抜群の体格を生かした突き押し相撲を得意とし、平成14年7月場所の十両優勝を経て翌9月場所に新入幕をはたした。生涯戦績482勝448敗51休をもって平成21年5月に現役を引退。同年6月、第13代 東関を襲名して東関部屋を継承し現在に至っている。
親方となった現在、未経験で相撲の世界に入門し叩き上げで幕内昇進をはたした自身の経験を活かした指導を心掛けている。日々の稽古を、技術鍛錬の場のみならず、先代親方の教えでもある「辛抱・努力」を信条として最後まであきらめない精神を弟子たちへと伝える場と考え、「心・技・体」の「心」を鍛え人間形成を図るための道(=相撲道)という信条のもと、師弟間の信頼関係を大切に愛情をもって指導にあたっている。
<<親方からのメッセージ>>
静岡県出身の優秀な力士を育てたい!という強い思いがあります。体格が大きくなければ入門できないと思われがちですが、入門規定は、①中学卒業以上23歳まで、②身長167センチ以上、③体重67キロ以上の3点ですから、力士志望の方はぜひ東関部屋へ!!