JR千駄ヶ谷駅を出て、東京体育館の横をまっすぐ4分ほど進むと鳩森八幡神社があり、その中に「千駄ヶ谷の冨士塚」があります。
寛政元年(1789)の築造と言われ、円墳形に土を盛り上げ、黒ぼく(富士山の溶岩)は頂上近くにのみ配されています。
山腹には、要所要所に丸石を配置し、土の露出している部分には、クマザサが植えられています。頂上には、奥宮を安置し、山裾の向かって左側に御影石の里宮の建物があります。
頂上に至る登山道は、自然石を用いて階段としています。7合目には、洞窟が作られ、その中には、身禄像が安置されています。
塚の全面には、冨士塚を築造した際に土を採掘した凹地を利用して造られた池があります。円墳状の盛り土と前方の池という形は、江戸築造の冨士塚の基本様式となっております。
大正12年(1923)の関東大震災後に修復されていますが、旧態をよく留め、都内に現存するものでは、最も古く、江戸時代中期以降、江戸市中を中心に広く庶民の間で信仰されていた富士信仰の在り方を理解する上で貴重な遺構です。(東京都教育庁ポストカードより)
○所在地・渋谷区千駄ヶ谷1-1-24 鳩森八幡神社
○交通・JR千駄ヶ谷駅下車徒歩4分
都営大江戸線・国立競技場駅出口A4下車徒歩5分